2018年9月17日
比武大会でプロゲーマーに勝った実力者、正体は 「比武 AI 2.0」 [ 比武大会 ] Tweet
15日に開催されたブレイドアンドソウル ワールドチャンピオンシップにて、
決勝戦の前に、各国の選手たちと謎の人物(デスナイト)の対決が行われた。
(gamemeca)
まず、ヨーロッパの選手とデスナイトによる、滅砕士のミラー戦が進行された。
謎のプレイヤーは、競技初盤からヨーロッパ選手を圧倒する実力を見せて、
以後も彼は弛まぬ HP 管理と攻撃により、勝利を目前にしたが、
競技終盤、ヨーロッパ選手が猛攻により逆転、ヨーロッパ選手が勝利した。
引き続き 2回戦では、謎のプレイヤーが徹底的な防御を土台にして、
ヨーロッパ選手を圧倒、大部分の攻撃を受け止めて、余裕の勝利を収めた。
3回戦では、真剣勝負を通じて素早い攻防が繰り広げられたが、
謎のプレイヤーはヨーロッパ選手に僅かな差で敗れた。
最終スコアは 2 対 1で、ヨーロッパ選手の勝利。
しかし、謎の実力者にも多くの拍手と応援が送られた。
引き続き、謎のプレイヤーは中国選手と韓国選手とも戦った。
中国選手との戦いでは、謎のプレイヤーは中国選手に敗れたが、
韓国選手との戦いでは、2 対 1 のスコアで謎のプレイヤーが勝利を収めて、
プロゲーマーに劣らない実力者だという評価を受けた。
競技が終わった後、彼の正体が明かされた。
謎の実力者は、韓国のプロゲーマーでも、NCsoft の職員でも、
高ランクを所持する一般人でも無かった。
彼は人では無く、NCsoft が開発した 「比武 AI」 だったのだ。
正体が明かされると、会場で競技を見守ったファンと選手たちからは、
「信じられない」 という声しか上がらなかった。
AI が繰り広げた競技だとは、信じられない実力であったからだ。
●3年以上開発した 「ブレソ AI」、遂に公開
去る 3月、NCsoft は記者を招待して、自社 AI の技術開発現状を発表した。
この席では、スポーツ,ゲーム製作,アート,企画などに適用される、
多様な AI が発表されて、その中には 「ブレイドアンドソウル」 に適用予定だった AI、
「比武 AI 2.0」 も含まれていた。
この日紹介された 「比武 AI 2.0」 は、
「ブレソ」 の PvP コンテンツ比武に適用される AI だ。
人間では無い CPU と対決しながらも、
人間の様な緊張感と、心理戦を感じられる様に開発された。
ディープ ラーニングを適用した深層強化学習(Deep Reinforcement Learning)技術を通じて性能を高め、
プレイヤーの戦闘ログを活用して、人間に似ている印象を与えたという事が特徴だ。
今年下半期にインゲーム適用を目標として開発されていたが、
この日までどの様な情報も公開されていなかった。
そんな 「比武 AI」 が 15日、3年 6ヶ月の開発を終えて、
「ブレソ トーナメント ワールドチャンピオンシップ 2018」 を通じてデビューした。
その結果は成功的であり、プロゲーマー 3人を相手に善戦を繰り広げたのだ。
NCsoft AI センターは、AI 開発において、指導学習と強化学習を並行して開発して、
利用者のログデータを土台に学習させた AI と、
純粋な強化学習だけで AI を学習させるモデル、2種類を同時に開発していた。
その後、今年 4月のテストで強化学習 AI が優位に立ち、
AI 同士で一緒に自ら対決しながら、成長を繰り返していった。
その結果、今年 7月にはアマチュアプレイヤーでは勝つ事ができない水準まで、
AI の知能は上達した。
現在は約 1週間で 35万回のゲームを学習しており、
プロゲーマー水準まで成長する開発に成功しているという。
その結果は 15日のデビュー戦で公開された通り、
プロゲーマーを相手に同等な戦闘を繰り広げる等、実力をお披露目した。
「ブレソ AI」 は、既存ブレソに適用されていた 「無限の塔 AI」 とも差別点がある。
「無限の塔 AI」 は、ゲームの実力よりは、プレイヤーの実力に合わせて、
よく遊べる様な AI を追い求めた。
人間が予め入力しておいた規則に従って、ゲームを進行してみると、
ある程度のパターンが導き出されて、それによる攻略法が形成される。
これが今までの無限の塔 AI だが、比武 AI はこれとは異なり、
深層強化学習により、動きやスキル使用において、どんな規則性も持たない。
その為、そんなプレイヤーと戦っても、適切に対応できる様に進化した。
15日に公開された AI は、全 3種類だ。
ヨーロッパ選手と戦った AI は、攻防のバランスに優れた AI で、
中国選手と戦った AI は防御型 AI、
韓国選手と戦った AI は、一番力強く攻めてくる攻撃型 AI だった。
この様なスタイルは、学習方法に変化を与えて作られた結果物だ。
NCsoft AIセンター常務は、
「プロゲーマーレベルの AI を作る為に努力した。
今日、素敵な競技を見せた AI 開発センターが誇らしい」 と、所感を明らかにした。
この日お披露目された 「比武 AI」 のゲーム内実装はまだ未定だが、
適用された際には、一般プレイヤーもプロゲーマー級の相手 AI と、
幾らでも演習ができる様になる。
これにより、「ブレソトーナメント」 の水準は一段階高くなると予想される。
・ブラインドマッチ 動画
投稿者 (む) : 2018年9月17日 14:49