フロンティアサーバー、NCsoft の狙いはモバイル化だった
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2020年3月 4日

フロンティアサーバー、NCsoft の狙いはモバイル化だった [ BnS - フロンティアサーバー ]  

去る26日、ブレイドアンドソウルに新しいサーバーがオープンした。
「Unreal Engine 4」 を基盤としたグラフィック リマスターと共に、
既存とは異なる戦闘、及び、成長方式を取り入れた 「フロンティアサーバー」 だ。

ブレソは、現在既存サービスされている 「ライブサーバー」 と、
新たに開かれた 「フロンティアサーバー」 の 2体制で運営されており、
2つの異なるバージョンをプレイする事が可能になっている。


NCsoft がフロンティアサーバーをオープンする前に強調した部分は、
新しいエンジンを基盤にして変化したグラフィックと、
戦闘と成長の手助けとなる、新しいフィールドだった。

ここに、ブレソ初盤の全盛期を代表するポーファランを前に立てて、
「進歩したグラフィックで出会える」 という点を強調した為、
以前ブレソを楽しんだユーザーの中には、初盤のコンテンツに
新しいグラフィックを加えた 「クラシックバージョン」 では無いか?
と言う期待感もあった。


しかし、蓋を開けてみたら、フロンティアサーバーは、
ユーザー達が思っていたクラシックとは程遠い物だった。

むしろ、「リネージュM」 にブレソを被せたというレビューが支配的だ。

一言で整理するならば、
「フロンティアサーバーはブレソ モバイル化改変」 だと言える。

実際フロンティアサーバーでゲームを開始してみれば、
かなりモバイルゲーだと思える要素を体感する事ができる。

Gamemeca



●アクションを強調していたはずのブレソに自動戦闘が導入された

フロンティアサーバーで一番変化した部分は 「戦闘」 だ。
サービス開始当時、ブレソが一番良い評価を受けた部分は、「質の高い連携」 だった。

内力を回復する通常攻撃と主要スキル、スキル使用後に活用する連携スキルと、
続けてコンボを組み合わせていく課程が楽しかった。

同時に、パーティープレイにおいても、他のプレイヤーと力を合わせて、
特定スキルを活用してボスの行動を制圧したり、攻撃を入れる時、
合わせ技がメインとして浮かび上がっていた。

ボスの攻略法が分からない状態の時は、何回も死ぬほどに難しかったが、
その攻略するまでの過程が楽しかった。


しかし、フロンティアサーバーでは、「自動狩り」 が最初から支援されている。
F4 キーを押せば、通常攻撃からスキルに至るまで、自動で使用して狩りが進行され、
通常攻撃と移動はプレイヤー自体も行えるが、スキルだけ自動で使うモードもある。

さらに、他の MMORPG では珍しく、ブレソだけの大きな特徴だった、
「抵抗技」,「合わせ技」 などが多数消えた。

追加で内力も、通常攻撃では無く、ポーションを飲んで回復する様になっており、
内力と HP が減ったら、ポーションを使って回復する事も、自動戦闘の中に
組み込める様になっている。


自動狩りオプションを緻密に設定できる。


ライブサーバーの邪術士スキルと、


フロンティアサーバーの邪術士スキルの比較。
フロンティアの方がスキル数が少ない。


既存のブレソは、内力活用に対する効率性を最大限高めて、
どう連携させればダメージを多く与える事ができるかを悩むゲームだった。

しかし、フロンティアサーバーでは、この戦闘部分は大きく変化しており、
自動狩りが加わって、サービス開始当時、一番独特的だと評価を受けていた、
特有のアクション性が大量に死滅した。

さらに 「自由 PK」 も導入されていて、フロンティアサーバーは、
「ブレソ」 よりも 「リネージュM」 により近いという評価を受けている状態だ。


ボリュームが減ったのは、戦闘だけでは無い。
クエストも軽くなった。

メインストーリーに添うエピッククエストは残っている状態だが、
細かなストーリー描写が楽しめるサブクエストは消えた。

以前のサブクエストは、キャラクターの成長には大きく影響は与えないが、
死ぬ間際までプレイヤーを最後まで助けてくれたユウ先輩や、
墓の中で涙を流している中、プレイヤーの手助けで成仏した女など、
ゲームの登場人物に絡むストーリーを知る事ができた。

特にユウ先輩の場合、今も多くのユーザーの記憶に残っているほど、
強烈な印象を与えているイベントだが、彼はフロンティアでは見る事ができない。


強烈な印象を残したユウ先輩は影も形も無く...


ユウ先輩がいた修練の部屋は、ぽつんと姿が残っているままだ。


千霊キョンシーを倒して得た精魂で回すルーレットの稼働しておらず、
姿だけ残ったままだ。


これらの代わりに追加されたのが、「天下武林クエスト」 だ。
これはレベルに合わせて特定地域へ行き、特定モンスターを倒すだけのクエスト群だが、
ライブサーバーと比較しても、50 レベルまで素早く上げる事ができる。
ただし、ストーリー的な楽しさは、ほぼ皆無だ。


整理すると、クエストはストーリー的な楽しさを提供するものでは無く、
50 レベルまで最大限素早く達成できる様にする要素に近い。



●リネージュを通じて見つけた売上成長戦略がブレソまで下りて来た

また、フロンティアサーバーは、モバイルでも遊ぶ事ができる。
PC ゲームをモバイルに投影して遊べる、
NCsoft 独自サービス 「イエティ」 を支援しているからだ。

NCsoft はブレソの前に、「リネージュ」,「リネージュ2」 で、
自社 PC ゲームをイエティによりモバイルでプレイ可能にした。

これを通じて、PC とモバイル間の垣根を消し去り、
プレイヤーが何時でも望む環境で、ゲームを遊べる様にした訳だ。


フロンティアサーバーも、イエティを通じてモバイル機器で遊ぶ事ができる。


この様に、NCsoft がブレソを大きく変えた背景には、
先にモバイル化に成功した 「リネージュ」 と 「リネージュ2」 の姿が上がる。

「リネージュ」 は、去年 3月にグラフィックリマスターを進行した後、
モバイル ストリーミング サービス 「イエティ」 と、「自動狩り」 などが適用された。
引き継いで、その年の 4月には、定額からアイテム課金制へと料金制を変えた。

グラフィックリマスターという主要な話題に合わせて、
料金制,自動狩り,イエティまで、PC リネージュ を、
モバイルでもプレイする事ができる基盤を取り揃えたのだ。


同様に 「リネージュ2」 でも、リネージュと似ている路線を取った。
2018年 12月に進行された 15周年記念アップデートを通じて、
「自動狩り」 を本格的に導入したし、去年8月には新規クラス デスナイト追加と共に、
定額制からアイテム課金制へと料金制を変えた。

同時に、アイテム課金転換に合わせて、リネージュ2 においても、
イエティを通じて、モバイルでも楽しめる様にした。


先立って話した PC リネージュ兄弟と、ブレソが歩いて来た道はとても類似している。
ブレソはリネージュに先立って、2016年にアイテム課金制へと変更されたし、
フロンティアサーバー オープンに合わせて、グラフィックリマスターと、
コンテンツ改変、自動戦闘と、モバイル ストリーミング プレイ環境を整えた。

「リネージュ」,「リネージュ2」,「ブレソ」 まで、
NCsoft の主要 PC ゲームは、モバイルでもプレイできる姿に変わったのだ。



●なぜ NCsoft は PC ゲームをモバイル化するのか?

この様な変化の結果は、売上成長となって帰って来た。
まず、「リネージュ」 の場合、リマスターアップデートとアイテム課金転換された後、
分期となる 2019年 2分期では、前年同期よりも 19%、
前分期対比では 142% も売上が増加した。

これに対して、NCsoft 最高財務責任者(CFO)は、
「リマスター アップデートと料金制の変更で、前分期対比142% も増加した。
 リマスター後、ユーザー指標はアップデート前より 2倍以上増加している。」 と、
説明した事がある。


引き継いで、「リネージュ2」 に対しても、アイテム課金制転換などが進行された後、
分期となる 2019年 3分期では、前年同期よりも 47% 売上が増加した。

また、リネージュ,リネージュ2 共に去年の年間売上は公開されており、
「リネージュ」 は、2018年よりも 16% 増加した 1,741億ウォン、
「リネージュ2」 は、46% 増加した 936億ウォンを記録している。

アップデート効果が完全に反映された分期の売上はもちろん、
1年を通しても、売上は両ゲーム共に 2018年よりも高い結果を納めているのだ。


NCsoft の年間ゲーム別売上。モバイルに対応したタイトルは売上が上昇している。


この様に、NCsoft は去年の自社主要 PC ゲーム 「リネージュ」 と 「リネージュ2」 に、
モバイル ストリーミング サービスを適用して、PC ゲームをモバイルでも、
無理なく遊ぶ事ができる様に改変した。

これを土台に、2つのゲームはどちらも売上が大きく上昇した。

「リネージュM」 を作ってサービスをしながら積んだノウハウを、
PC ゲームにも移植した結果、刮目する成果が出てしまったのだ。

PC リネージュ兄弟を通じて、直接検証した NCsoft の成功戦略が、
ブレソにも下ってきたというのが、今回のフロンティアサーバーの核心だ。


ただ、PC リネージュ兄弟とブレソでは、性向が完全に異なる。
「リネージュ」 と 「リネージュ2」 は、攻城戦がメインコンテンツであり、
アクションが強調されたゲームでは無かった。

一方、ブレソはサービス開始当時、
「対戦格闘ゲームを彷彿させる」 という評価をたびたび聞く位に、
コンボ主体のアクション性をメインとして先立たせた。

長い間、そんなアクション性を楽しんで来たプレイヤーの立場では、
アクションの楽しさが消え去り、モバイルゲームの様に変化したフロンティアは、
嬉しくない変更であり、批判も多い状況だ。

投稿者 (む) : 2020年3月 4日 11:50

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